園のこと
園について
1989年、シュタイナー教育を知った保護者たちが集い、神奈川県川崎市にて「ルドルフ・シュタイナーこども園」を立ち上げたことがこの園のはじまりでした。(つづきはNPO法人沿革へ)
開園から30年。社会が変容していく中で、少しずつ形を変えながら、横浜シュタイナーこどもの園は、時代を経ても色褪せないシュタイナー幼児教育をたくさんの親子に届けています。
横浜シュタイナーこどもの園「さくら園舎」/2020年に撮影
※「シュタイナー教育」とは、ルドルフ・シュタイナーの思想に基盤を置きつつ、自然科学や他の思想からも広く学び、常に「子どもが健やかに育つために何が大切か」を模索する教育学です。2019年にヴァルドルフ/シュタイナー教育は100周年を迎えました。
ルドルフ・シュタイナー (1861〜1925)
Rudolf Steiner
オーストリア出身の哲学博士・思想家・教育者。
1912年、アントロポゾフィ(人智学)協会を設立。独自の精神科学および人間観に
基づいて、哲学・思想・教育・医学・農業・建築・芸術・社会論などの分野に業績を残しました。1919年、ドイツのシュトゥットガルトに誕生したシュタイナー学校は、今では世界の90を超える国々に1,000校以上、幼稚園は2,000園以上あります。
大切にしていること
生まれてから7歳までの子どもたちに必要なのはからだを育むこと。
手足で触れること、匂いを嗅ぐこと、色や音を感じること。人々とのかかわりの中で生きること。あらゆる感覚体験がからだの礎となり、子どもたちが大きな木のように大空に向かって広く枝を伸ばすための強い幹となります。
園では木の実・羊毛・綿など自然の素材を使ったおもちゃで手の感覚を養います
あたまでっかちにならないで
あわてず、ゆっくり、ゆっくりね
急いた早期教育とは一線を画し、やわらかなおおいの中で子どもらしい時代を存分に味わうこと。それがこの園で大切に考えていることです。
遠足にて、手足を存分に使って土の壁をよじ登る園児たち/豊顕寺市民の森(神奈川県横浜市神奈川区)
リズムと繰り返し
小さな子どもは自然なリズムと共にあります。
横浜シュタイナーこどもの園では、一日、一週間、一年(四季)のリズムをつくり、その繰り返しを大切にしています。
「片付けの時間です」と言うかわりに、いつもの歌をくちずさむ。
「月曜日ですよ」と教えるかわりに、決まったおやつや活動がある。
祝祭や季節の手仕事を通して、季節の移りかわりを感じる。
教師が毎日、毎年同じことを繰り返す。
そんな繰り返しのなかで「ほら、やっぱりそうだった」と安心できる。
この安心感の中で、子どもたちは周囲への信頼と意志を育むのです。
模倣の時代にできること
幼い子どもは目の前の大人の言葉や動きをまねしながら、良いことも、そうでないことも取捨選択せずに全身で吸収していきます。
「こうしなさい、あれをしなさい」
命令、道徳的な決まり文句、理性に訴えかけるような戒めの言葉は、この年代の子ども達には通じないのです。大人が率先して、首尾一貫した行動や態度を取る。大人たちの振る舞いそのものが、子どもにとっての教科書です。
給食のスープ作り、粉挽き、昆布切り…。教師が手本となり子どもたちが自然と模倣します。
子どもたちが自由に遊ぶ傍ら、教師は布を縫い、おもちゃの手入れをし、季節の仕事を丁寧に心をこめておこないます。それを子どもが模倣し、取り込み、遊びが活気づきます。その積み重ねから、やがて想像力や内面の豊かさも育ちます。
晴れた日に使い込まれた布を洗う子どもたち
秋。園の軒先には干し柿。教師の季節の手仕事を子どもたちは見て育ちます
遊び
子どもにとって遊びは生きることであり、真剣な仕事そのものです。
木の実や貝殻、布・ひも・羊毛といったシンプルなおもちゃは想像力やファンタジーを広げ、その子らしい遊びを引き出します。
室内でたっぷり遊んだら、園庭で遊んだり、お散歩に出て体を動かします。小さいながらも自然に富んだ園庭は子どもの感覚や感性を存分に満たしてくれます。
素朴な道具が子どもたちの手で様々な遊びに変身します
子どもたちが大好きな遊び紐 丁寧に片付けて
やわらかな光に包み込まれた園舎の内観
季節の草木が茂る園庭にて
施設の基本情報
所在地 | 〒221-0843 横浜市神奈川区松ケ丘3-14 |
電話 | 045-323-3737 |
設置者 | NPO法人横浜シュタイナーこどもの園を育てる会 |
開園日 | 1989年(2000年よりNPO法人化) |
種別 | 届出済み認可外保育施設 |
定員・対象 | 満3~5歳児 計21名 |
保育時間 | 月曜~金曜 8時半~14時(延長最大18:00まで) ※詳しくはクラスのことへ |
GALLERY
さくらクラス外観