季節の手仕事 紙染め

時間をかけたから、ひとりで集中したから
良いものができるとは限らない。
大人だから綺麗にできるわけではない。
“そっと”ひらく時間がごほうびのような手仕事
夏の飾りにもぴったりな紙染めをご紹介します。

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<紙染め>  

基本的な材料

染料3~6色(シュトックマーの水彩絵具など発色の良い染料を使います。濃く煮出した植物染料もベースに使うと綺麗です。)

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絵の具を溶く小皿・シャーレ(浅いもの)色数分

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薄い和紙 作りたいサイズ (障子紙などを買って好きなサイズに切っても良いです。表裏ともコーティングをしていない和紙。小さなサイズの方が繊細な色の世界を楽しめます。)

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ティッシュ

作り方

  1. 染料を各色水に溶かしておく。

②   作りたいサイズに切った和紙を好きな形に折る。(三角や四角のジャバラ折り)

③   ベースにしたい色から順番に紙を浸していく。(浸す部分の大きさや時間に変化をつけると文様がはっきり表れる)

④   折ったままの状態でティッシュの上に置いて乾かす。

⑤   乾き切る前に、破れないようにそっとひらき、さらに乾かす。


 材料と作り方を見ての通り、とてもシンプルな手仕事です。真夏でも扇風機が定番の我が家では、紙染めの日だけはエアコンをつけて(風は大敵)、、子どもと2人、もくもくと折っては浸し、折っては浸しを繰り返します。これで最後と思いながら、ついついこの組み合わせも試してみようと、なかなか終われません。

 そのうち、最初に浸して乾き始めた和紙を開く時間。自由に色と遊んでいた気分を少ししまって、お互いがひらく姿を見守ります。

美しい模様以上に、この息をのむ時間そのものが宝もののようだなあと思います。

 そのまま飾れば、ふわふわ揺らいで淡い風を感じられます。白い台紙の上に貼れば、ぐっと鮮やかさが増してよそゆき感が出ます。

 時間をかけて、技術を磨いて取り組む手仕事はそれはそれで楽しく充実した時間。一方で、このような“大人と子ども”の差が現れず、それぞれに美しいものが見つけられるものに出会えると、手仕事がまた違った輝きをもつと感じます。